« 閏10月28日「行家・義仲征伐延引」 | トップページ | 11月1日「行家・義仲征伐延引」 »

2009年6月27日 (土)

閏10月29日「法皇と行家が双六の間信円空しく退出す」

[玉葉] 閏10月29日
「賀表加署の事」
 賀表(祝意を表して奉る文)へ加署(公文書に署名)の事、先日左大臣(経宗)が次第を造って進上した。当日仗座(朝廷の公事の座席)に於いて加えるべしの由、造り載せらる。猶不審に依り大外記頼業の許へ問いの使いを派遣した。申し云う、この事に於いて煩い有るべし。よって兼日公家判賜るべしの由、昨日いつもより特に申し上げたりという。
「信円法皇に召さる」
 この日、奈良僧正(信円)が来られた。去る25日夕上京される所である。法皇のお呼び出しに依るという。よって27.8日両日参上した。
「大和国兵士を平家追討に遣わすためか」
 然るに全く特別なお言葉は無しという。大略大和の国(奈良県)の兵士等を招集し、平氏の強者に用意されるように、指し派遣すべき故という。始めて衆徒(僧兵)を招集すべき由のお言葉が有り。しかれどももし大衆(僧兵)を発すならば、悪僧等が力を得るは決定、乱行非法を致すか。当時は、随分奔走し、殊に大衆(僧兵)狼藉の聞こえ無し。今此の院宣の趣旨を漏れ承れば、衆徒の乱暴、全くおきてに叶うべからず。此の条重ねてお言葉に依り、指図致すべし。後日の恐れの為詳細申す所であるという。重ねてお言葉に云う、申す所尤も然るべし。大衆の条重ねて御定めに随るべし。
「寺家より末寺荘園の兵士を催すべし、其の用意致すべし」
 先ず只寺家の力を以て、末寺荘園の兵士を招集し、其の用意致すべしという。
「法皇と行家が双六の間信円空しく退出す」
 先ず27日参上の処、行家と御双六の間他事無し。見参に入ると雖も、空しく退出し、昨日参上しお言葉を頂いたようだ。御堂御八講の次、又上京すべき由示される所である。たちまち下向された。今度は入道関白(基房)の許へ参上しなかった。其の時間が無きに依りてであるという。

|

« 閏10月28日「行家・義仲征伐延引」 | トップページ | 11月1日「行家・義仲征伐延引」 »