6月13日 「泰衡の使者、義経の首を持参す」
「吾妻鏡」6月13日 辛丑
「泰衡の使者、義経の首を持参す」
泰衡の使者新田の冠者高平が、與州(義経)の首を腰越浦に持参し、経緯を言上した。仍って首実検をする為、和田の太郎義盛・梶原平三景時等をそこへ派遣した。各々甲(よろい)直垂(ひたたれ)を着て、甲冑姿の郎従二十騎を従えていた。その首は黒漆の櫃に納めて、美酒に浸されていた。高平の従者二人が担いできた。昔蘇公は、討ち取った敵を自ら担いだ。今高平は、他人に彼の首を担がせた。様子を見る者は皆涙を拭い両袂を濡らしたという。
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