7月9日「院、泰経宥免を頼朝に諮る」
「吾妻鏡」7月9日 丁卯
「院、泰経宥免を頼朝に諮る」
前の大蔵卿泰経朝臣は、義経朝臣に味方したため、二品(頼朝)が怒りになられたので、処罰されました。而るに義経は、すでに敗北したので、赦免されるべきかと、内々に師中納言(経房)にお言葉がありました。都督(経房)はその御文書を送り献上された。今日到来したという。泰経卿の事は、度々二位卿(頼朝)にお言葉がありました。然れども今だに赦免はありません。またお考えもしかるべき理由がありますので、処置に及びませんでした。而るに此のような罪科の者達は、多く赦免しており、さらに義経の事も決着しました。それならば赦免されても良いのではと、機会を見計らって(頼朝に)お言葉を送るようにと、(法皇の)内々のお考えです。仍ってこのようにお伝えします。
七月一日 左中弁(藤原定長)
謹上 太宰権の師(経房)殿
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