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2008年7月24日 (木)

閏7月16日「院殿上において比叡山に隠れる義経の事につき議定」

[玉葉]閏7月16日 辛酉 晴 
「院殿上において比叡山に隠れる義経の事につき議定」
 この日、法皇御所の殿上に於いて、義行(義経)が比叡山延暦寺に逃げ隠れるの事を議定した。即ち左少弁定長を以て先ず座主以下に問う(その趣、義行(義経)が比叡山延暦寺に逃げ隠れるの由風聞した。これは僧兵が二・三人同意するの故と。仍って義行(義経)及び件の僧兵等、逮捕し進上すべきの由、法皇の命令が下されました。而るに彼の僧兵等、山上に現住の僧兵が同心し逃げ去らしめました。日頃、朝敵を隠し置き、露見の時、早く以て逃げ脱した。寺の役職者は怠慢の次第、怠慢とは何様の事や)。
 各々申して云く、この次第は遁れ申す所無し。凡そ僧兵の習い、天台座主や園城寺の首長の命令に従わず。但しこの條に於いては、僧兵と雖も、爭か朝家の大事を顧みざるや。逃亡の條、偏に寺の役職者等の不覚の致す所である。各々居留の罪人等を逮捕しようと欲するの間、味方が少々出で来て、打ち破り逃げました。凡そどうしようもない事だと。(略)左馬頭一条能保申して云く、比叡山延暦寺の僧兵は朝廷の法規を無視し容穏するの條、甚だ不当である。土肥の二郎實平の如きの武士等、偏に坂本を堅め山上を捜すべきの由、申せしむと雖も、様々の計略を廻らし制止を加える所である。座主以下を検非違使の廰に付け責められれば、なんぞ出で来せんやといいました。(略)
「義経に同意の悪僧召し進らすべき旨を座主に命ず」
 私兼実は座主以下に命令して云く、一山の大事これに過ぐべからず。武士等の不安とする所至極当然の理である。たしかに期日(二十ヶ日)を限り、彼の悪徒を捕らえ進上すべし。比叡山満山が同心すれば、何ぞその功を成すだろう。座主は早く門徒僧綱等を引率し、まもなくに登山を企て、詳細に僧兵に命令し、特にがんばるべし。もし怠慢を致さば、定めて後悔するだろう。

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