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2008年5月18日 (日)

11月17日「義経吉野より逃れ、静捕へらる」

「吾妻鏡」11月17日 丙申
「義経吉野より逃れ、静捕へらる」
 伊予守義經は、大和国の吉野山に隠れていると噂が流れたので、蔵王堂の事務長は、豪傑の僧兵に命じて、この数日、吉野山の山林を探させましたが、全然網にかかりませんでした。しかし、今夜午後十時頃に義經の妾の静御前が、藤尾坂から蔵王堂(金峰山寺の本堂)に下ってきました。その様子がおかしいので、僧兵達は怪しいと思い、一緒に連れて事務長の宿舎へ行き、細かく訳を問いただしました。静御前が云うのには、「私は、九郎判官義經〔現在は伊予守〕の妾です。大物浜から義經様とこの吉野山へ来ました。五日間泊まっていましたが、僧兵が立ち上がり攻めて来ると噂が流れたので、源九郎義經様は山伏の姿に変装して逃げ去ってしまいました。その時に数多くの金銀財宝を私に与えて、雑用のしもべを着けて京都へ送ろうとしてくれました。しかし、そのしもべの男は、財宝を私から奪って、挙句に私を山深い峯の雪の中へ置き去りにしてしまったので、このように迷ってしまったと言うようです。

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