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2007年4月 8日 (日)

8月3日 「吾妻鏡」「河内国地頭押領、および糟屋有季狼藉の事」

8月3日 「吾妻鏡」乙酉
「河内国地頭押領、および糟屋有季狼藉の事」
 河内の国内の庄々の地頭等が押領の事並びに糟屋の籐太有季が狼藉を致す事、尋問し処罰されるべきの由、法皇の命令を下されるの間、御答申書を差し上げられるの上、詳細を彼の地頭に問われる所であります。
「頼朝の答申書」
 河内の国務の事、命令下されますの趣旨に任せ、光輔に相尋ねました。濫妨の輩、(大江)公朝・(北条)時定・(足利)義兼等、手紙を以て命令した所であります。件の書状三通、謹んで以てこれを進上しました。有季の濫行に至りては、不当第一であります。罪科に随って御指図ありますことを、とかく言上すべきではありません。この旨を以てそっと天子に申し上げなさるべきであります。頼朝恐々謹言。
     八月三日           頼朝
「時定への下文」
  御下文等
 河内の国の国領を、(北条)時定が陸奥所(みちのくどころ)という仮名(けみょう)を立て、押領せしむの由その聞こえが有りました。先ず陸奥所と云仮名、聞く耳も見苦しきの上、無礼と存じないのだろうか。彼の奥州にて、出羽国の内を押領せんが為には、陸奥所とも云いました。縦え押領して有とても、地頭ばかりにて、有限の国事を妨害や未納しなければこそ、過怠を遁るる所もあるまい。妨害未納の濫妨を先となして、然る如き不当を致す事、奇怪の至り、あれこれ言うに及ばざる事であります。早く有限の国事を、先例に任せその勤めを致すべし。また国司の命令に随うべきである。もし猶おこたり有らば、まさに地頭職を停止せしむべきである。命令の趣旨此の如し。仍って以て上意による通達件の如し。
     八月三日           盛時(奉る)
   平六左衛門(北条時定)殿
「大江公朝への下文」
 河内の国の山田郷の事、地頭として国命に随うべきの由を命令文に載せました。而るに当任の国司光輔の時、鎌倉の命令を蒙りました。早く鎌倉に知らせるべきの由を称せしむようです。この條鎌倉に国司なくばこそ、左右を進止せしめ、如何様に命令なさるのでしょう。また誰人を以て命令を聞けるのでしょう。此の如き虚言、以ての外の次第である。早く先例に任せその指図を改めらるべきの由にある所であります。仍って以て上意による通達は件の如し。
     八月三日           盛時(奉る)
   江大夫判官(大江公朝)殿

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