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2007年4月27日 (金)

「猫おろし事件の真相」目次、あらすじ

「猫おろし事件の真相」

目次

あらすじ
1.ダジャレ
2.「語り本系」と「読み本系」の違い
3.方言となまり
4.食事の時間と作法
5.文章技法
6.「泣く子と地頭には勝てぬ」平家滅亡後の乱暴狼藉
7.ひらたけと松茸
8.用語について
9.九条兼実の義仲観の変遷
10.九条兼実の容貌観察
11.まとめ
参照資料
参考文献

あらすじ

 「猫おろし事件」とは「平家物語」「猫間のこと」の記述で、猫間中納言が木曽義仲を訪問した時、木曽義仲の言語に田舎なまりがあるとか、「猫間殿」を「猫殿」と呼び、粗末な食器で粗末な食事を強要したとか、食べ残しを「猫おろし」をしたとからかうので、無礼者で乱暴者であるとする話しである。
 先の「木曽義仲軍乱暴狼藉事件の真相」で明らかなように、平家物語は真実を伝えていない。原作者は真実を伝えようと努力したかもしれない。しかし、琵琶法師や後の文章化作者により、権力者(頼朝や朝廷)や聴衆の反発を恐れ、権力者や聴衆に不都合な真実は削除されたようである。木曽義仲を悪者に仕立て上げた。つまり、その後の猫間の事や法住寺合戦の部分も多分、真実を伝えてはいないだろう。
 平家物語は歴史研究者により数々の捏造つまり創作が指摘されているので、この話しも捏造に違いないのだが、ここだけ読んで木曽義仲は礼儀知らずだとか、乱暴者と誤解する読者は多い。このような言葉の「なまり」とか、方言の勘違いによる誤用や、礼儀作法のかん違いはよくある話しで、主人公の義仲を越後の武士、または関東の武士に置き換えても充分に通用する話しである。あえてまじめに反論してみよう。
 平家物語のような後世に残る文学の内でこのようなくだけた話しは格調を下げているような気がするのだが。最期の文章に「おかしきこと多し」とあり、このおかしきとは「面白い」の意味と「奇妙な」との意味の2種類がある。作者は「奇妙な」ほうの意味で書いたと思われる。当時の権力者たる鎌倉の頼朝を優美と誉めそやす文章の後にこの記述がある。
 しかし、後世の読者のなかには面白い話しとして受け取る者もいるようでもある。なかには義仲は権威に逆らう痛快で面白い奴だとか、「暴れん坊将軍」などと誤解している者もいる。
 平家物語は琵琶法師の語り物として普及したようである。事実関係を単純に並べただけでは聴衆は飽きてしまうだろうから、事実に有ること無いこと追加したり変更した事は容易に想像出来る。

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