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2007年4月 5日 (木)

4月19日 「吾妻鏡」「太神宮役夫工米、地頭の未済を成敗す」

4月19日 「吾妻鏡」壬寅
「太神宮役夫工米、地頭の未済を成敗す」
 造太神宮の役夫工米、地頭未済の事、頻りに職事の奉書が有りました。神宮使また参訴するの間、まもなくに指図を致すべきの旨命令なされた。詳細有る所々に於いては、今日京都に急いで報告なされた。因州(広元)並びに(平)盛時・(藤原)俊兼等これを奉行しました。その状に云く、
    内宮の役夫工作料未済成敗の所々の事
   信濃の国 越後の国
    件の両国の未済、前の国務沙汰人に付け究済せしむべきの由、書状を神宮使に與えました。

(注釈)
太神宮(だいじんぐう)・・・伊勢大神宮
役夫工米(やくぶたくまい)・・・造営人夫の料米
未済(みさい)・・・貢納物なと゜の納入がまだ終わらない
職事(しきじ)・・・院に仕え、雑事をつかさどる職。
奉書(ほうしょ)・・・上意により下す命令の文書

(中略)

 そもそもこの内別紙に記録し分ける所三十箇所の事、家人の知行地の内、未だ配符を請け取らざる庄々、同じく分けるの由は判明している。これに就いて詳細を尋ねるに、造宮始めの後、今に至り配符を付けていないようです。然れば地頭の対捍の儀に非ざるか。今に成り始めて催促されるの條、もしこれあら探したるか。なかんずくに国々の国司・庄々の領家は、大略在京である。先ず国司・領家に催促されれば、また国衙・庄家に命令すべきである。その時地頭の対捍と号し、直に奏達に及べば、また知らせを送る事、その道理然るべきか。今に以て催促せざるの所、分別無く、家人・地頭未済の由記録し申されるの條、未だその道理を知らず。
     文治六年四月十九日
(注釈)
奏達(そうたつ)・・・天子に申し上げて、お耳に達すること
国司(こくし)・・・国の長官
領家(りやうけ)・・・荘園領主
国衙(こくが)・・・国府、国司の役所

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