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2007年3月14日 (水)

4月12日 「吾妻鏡」「地頭等庄家を押領」

4月9日 「吾妻鏡」戊寅
「奥州下向の官使到着す」
「義経追討の宣旨」

4月12日 「吾妻鏡」戊寅
「院宣到来す」
「東大寺材木引夫の事」
「良弘の事」
「諸国庄々の地頭の事」
「地頭等庄家を押領」
  院宣に云く
 諸国庄園の地頭等、国は役人に従わしめ、庄は荘園管理者に従うべきの由、或いは命令文を成し進し、或いは命令を加うべきの旨、再三申し付けなされました。
 然れども所々より申し訴えしむる如きは、ただ地頭を任命されたと云うを以て、偏に庄家を押領する如し。
 貴賤上下いたずらに嘆き悲しみに疲れた。神社仏寺は永久に訴訟を抱く。多くの人民の歎き、なお天の責めを為すものである。何ぞまして仏神に於いては。神領は神事の違例を恐れる、定めて咎め成すことが出で来るだろう。寺領は仏事の次第に衰えるのを悲しみ、罪業を陳謝し難いものである。
 つくづく天下の争乱を思うに、あに地頭の乱暴にあるかもしれない。人民の愁いを散ぜられば、定めて落居の基となるだろう。但し地頭の中、その性格の好悪に依ってその勤めの軽重が有るようだ。然れば能く詳細を尋ね捜し、勤否に随い、勤め無き者を免職にし、勤め有る者どもを選抜して表彰すれば、偏に悪巧みをほしいままにするも、なんぞ勤節を表わすかもしれない。一向に荘園管理者を軽視する者どもに於いては、尤も罪科に処せらるべきである。兼ねてまた去々年以後、庄々の年貢以下、荘園管理者の取り分等を詳しく尋問し進上し、未だその済否に従わなければ、賞罰を加えらるべきである。逐年荘園管理者の受け取り証を召し取り、且つは進覧せしめ、且つは本家に付けしめ給うべきか。家来の不当たりと雖も、すでに一身の不当のごとし。積もる所尤もその恐れ有る事か。去り難く思いなさるの余り、此の如く命令遣わされる所である。
 なかんずくに、近年天変地異は連続して申し上げが有り。これ則ち人の愁い重なるが故か。わざわいは徳に勝らず、徳政に及ぶ事は無い。徳政と謂うは、人の愁いを散ずるを以て先と為すべきである。この旨を存じ、殊に指図を致さしめなされば、天下は太平になり、万人は仁に帰るだろう。されば、法皇の命令此の如し。仍って執達件の如し。
     三月二十八日         太宰権の師籐経房(奉る)
   謹上 源二位殿

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