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2006年11月25日 (土)

1月28日 「隆職追捕さる」

1月28日 天晴れ
「隆職追捕さる」
早朝、大夫史隆職(小槻隆職宿祢)が使者を進上して云く、忽ち追捕(ついぶ)され、家中恥辱に及ぶ。これをなす如何。九郎の一族と家来どもの所為のようだ。召し使う人の滅亡を思ふに依り、使いを九郎の許に行かせて、詳細を相触る。縦えその身に罪科有りと雖も、当時の狼藉を停止すべきの由である。
「親能頼朝代官として義経を補佐し入洛」
また書札を以て前の源納言(雅頼)の許に示し行かせた。次官親能は彼の納言の家に在り。件の男は頼朝の代官となり、九郎に付き上京された所である。仍って万事奉行を為すの者のようだ。
「義経勢史大夫と大夫史を取り違え小槻隆職を追捕す」
これに因って触れんが為、件の男は彼の納言に示す所である。九郎の返事に云く、この事、平氏が書札を京都に進上した。件の使者は搦め取られた。各々報礼を持つようだ。その中にこれ有り。史大夫の者召し進上すべきの由、左衛門の尉時成の奉行として、法皇より仰せ下された。仍って相尋ねるの間、大夫史の宅に罷り向かう。次第は不敵である。狼藉に於いては、早く止むべしと。また納言の返札が到来した。親能は一切知らぬ事の由を申すようだ。叉宰相中将(定能)に相尋ねる処、返事の上、全くご存知無い事のようだ。
「隆職の文庫義経従類に打ち破られ文書を奪わる」
 晩に及び使いを隆職の許に行かせ、詳細を尋ね問う。帰り来て云う。文書等少々片山里に遣わすと雖も、要須の文書においては併しながら身辺に随う。にわかの尋ねに備えるためである。しかるに文庫の戸を打ち破り、併しながら取られたようだ。凡そ官中の文書、古来只一本書である。然るに肝心を失えば、即ち我が朝の滅亡である。誠に天下の運滅尽の期か。悲しむべし悲しむべし。
(注釈)
追捕(ついぶ)・・・ついふ。ついほ。ついふく。悪者を追いかけて捕らえること。没収。奪い取る。
率爾(そつじ)・・・にわかなさま。軽率なさま。

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