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2006年11月 6日 (月)

12月20日 「吉記」「平氏入洛の説あり」

12月20日 天晴れ、
「叙位聞書を見る」
早朝、聞書を見る、殊なる事無し。光長が四位に叙された。大将のうわぎを申請するに依り与えた。今日と明日は物忌みである。今朝、智詮阿闍梨は熊野に出発した。私及び大将は沐浴(もくよく)潔斎(けっさい)してこれを礼す。
「実定礼及び一首を兼実に送る」
今日左大将(藤原実定)が書札を送り、世上及び自身の事等を示された。粗く述懐の状有り。其の次一首を送る。
あらきかせ ふきやむと まつほとに もとの心の ととこほりぬる
「兼実の返歌」
返歌
われもさそ かせにととろく かけはしを あやふむほとに ととこほりぬる
天下騒乱の後、茲に五箇年、心一実の道慕うと雖も、首猶双華の鬢(びん)梳(そ、くしけずる)り、たちまち静謐(せいひつ)の時を期す。念仏の行を修めんためなり。愚心を以て賢慮を察す。猶豫宜しきか。
(注釈)
沐浴(もくよく)・・・神を洗い身を洗うこと。湯水で身体を清めること。
潔斎(けっさい)・・・神事などの前に、酒や肉食などをつつしむ。
鬢(びん)・・・頭の左右側面の耳ぎわの毛。
静謐(せいひつ)・・・静かであること。特に世の中がおだやかに治まること。

12月20日 「吉記」
「平氏入洛の説あり」
或る者が来たり云う、平氏の入洛は来る二十二・五・八日の間、必然である、門々戸々営々、或る説、義仲と和親した、或るいは然らずと。

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