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2006年10月11日 (水)

閏10月29日「大和国兵士を平家追討に遣わすためか」

閏10月28日

伝聞、行家・義仲等は征伐のため下向した。来月一日は法皇の御衰日(不吉な日)の為に依り、延引、或る説に二日、或るいは八日と。

閏10月29日
「賀表加署の事」
賀表(祝意を表して奉る文)加署(公文書に署名)の事、先日左大臣(経宗)が次第を造って進上した。当日仗座(朝廷の公事の座席)に於いて加えるべしの由、造り載せらる。猶不審に依り大外記頼業の許へ問いの使いを派遣した。申し云う、この事に於いて煩い有るべし。よって兼日公家判賜るべしの由、昨日いつもより特に申し上げたりと。
「信円法皇に召さる」
この日奈良僧正(信円)が来られた。去る25日夕上京される所である。法皇のお呼び出しに依るようだ。よって27.8日両日参上した。
「大和国兵士を平家追討に遣わすためか」
然るに全く殊なる仰せ無しと。大略大和の国(奈良県)の兵士等を招集し、平氏の強者に用意されるように、指し派遣すべき故と。始めて衆徒(僧兵)を招集すべき由仰せ有り。しかれどももし大衆(僧兵)を発すならば、悪僧等が力を得るは決定、乱行非法を致すか。
当時は、随分奔走し、殊に大衆(僧兵)狼藉の聞こえ無し。今此の院宣の趣漏れ承れば、衆徒の乱暴、全くおきてに叶うべからず。此の条重ねて仰せに依り、指図致すべし。後日の恐れの為詳細申す所であるようだ。重ねて仰せ云う、申す所尤も然るべし。大衆の条重ねて御定めに随るべし。
「寺家より末寺荘園の兵士を催すべし、其の用意致すべし」
先ず只寺家の力を以て、末寺荘園の兵士を招集し、其の用意致すべしと。
「法皇と行家が双六の間信円空しく退出す」
先ず27日参上の処、行家と御双六の間他事無し。見参に入ると雖も、空しく退出し、昨日参上し仰せを頂いたようだ。御堂御八講の次、又上京すべき由示される所である。たちまち下向された。今度は入道関白(基房)の許へ参上しなかった。其の時間が無きに依りてであるようだ。

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