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2006年9月14日 (木)

9月9日「大神宮恠異の事の沙汰につき法皇より諮問せらる」

9月9日 天晴れ、
今日、念仏十四万遍。この日蔵人宮内権少輔親経が来て、院宣を伝えた。(私は念仏に依り之に会見しなかった。人を介して之を伝え申さしめた)。
「大神宮恠異の事の沙汰につき法皇より諮問せらる」
去る7月17日、大神宮に奇代の不思議な事が発生した。しかし、すでに先朝(前天皇)の御時の事である。当今(現天皇)に指図有るのはいかに。協議し申し上げるべしといえり。私は申し云う、且つ準拠の例を尋ねられ、協議し指図が有るべきである。もし不思議な事の様子が奇異の事であるならば、黙止の条は如何といえる。念誦の間であるので、文書を見ず、又詳細を申し上げなかった。

9月10日 この日念仏十七万遍。

9月11日 
この日念仏二十一万遍。今日、頭弁兼光が私の南家に来たようだ。然れども念仏の由を聞き、此の堂に来なかった。待機の男に示し置き退出した。事は急事ではなかった。よって御念仏以後に参上し、承るべき由示すようだ。夜に入り聞く所である。御即位の間の条々の事を尋問された。すでに念仏以後、委しく披(ひら)き詳細を申すべき文書等を見て、之を書写した。
「兼実女房夢想」
此のあけがたに女房が夢見を云う、夜相共に新築の家宅に渡る。頗る以て作りかけのようだ。見回りの後、相共に就寝しようとする間、ある人が女房に告げて云う、其の殿(は私を指す)は大職冠(藤原鎌足)の後身であると。女房夢中に思う様、極めて恐れ有る事である。年来種々の大願を立て、国家の安全・仏法の興隆等を祈願していた。事の様子は、近代の風に似ず。奇しく思ふ処、今彼の後身たる由を聞き、尤も其の謂われあること思い覚めたようだ。法成寺入道殿(藤原道長)は聖徳太子(厩戸皇子)並びに弘法大師の後身である。先代も有る事である。信仰すべし、信仰すべし。

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