7月16日[吉記]十郎蔵人行家伊賀の国に入
7月14日 時々雨下、
「盆具を送る」
三所に盆具を浄光明院(故殿)、光明院(先妣(ひ、はは))(藤原仲光女)西御堂(故女院、皇嘉門院)へ送る。各礼拝は例の如し。
7月16日 晴れ、
「江州への院使いにつき左府・内府に諮られる」
静賢法印が来た。世上の事を談じた。法皇の御使いを江州へ遣わされるべきの間の事、左府(左大臣、藤原経宗)・内府(内大臣、実定)に問われた。各庁の御下文を遣わされるべき由を申されたようだ。
7月16日 天陰雨降らず [吉記]
源氏十郎蔵人行家と称する者が、すでに伊賀の国に入(去る十四日と)り、家継法師(平田入道と号す、貞能の兄)と合戦した。また三河の冠者と号する源氏が大和の国に越え入るようだ。薩摩の守忠度朝臣が丹波の国に向かい出発した。百騎ばかりを引率したようだ。
| 固定リンク