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2006年8月24日 (木)

8月2日「法皇摂政基通を艶す」

8月1日 天気晴れ。
今日は八条院(法皇の妹、鳥羽天皇皇女)を以てに内々申し入れる事が有り。御返事があきらかになりました。

8月2日 天気晴れ。
伝聞、摂政(基通)は2ケ条の由緒が有り、動揺すべきではないようだ。
一は、去る月20日頃、前内府(宗盛)及び重衡等の密議に云う、法皇をお連れし奉り、西海に赴くべし。もし又、法皇宮に参住すべしと。此の如し評議決定を聞き、女房を以て(故藤原邦綱卿愛物、白川殿の女房(平盛子)冷泉院局)、法皇に密告し、此の功に報いらるようだ。
「法皇摂政基通を艶す」
一は、法皇は摂政を愛し、其の愛念により抽賞するようだ。秘事であり、希異の珍事であるといえども、子孫に知らしめるため記述して置く所である。
「藤原基房師家の摂政就任を泣いて所望す」
また聞く、入道関白(藤原基房)は病ひを帯ながら(瘧病、マラリア)、法皇の御所の北対に参宿し、前中納言(藤原)師家(生年12歳)を以て、摂政に任ぜられるべき由の願望を書きしるした。法皇の機嫌はこれを許さないようだ。
「源雅頼と世上の事を談ず」
今日、前中納言(源雅頼)が来た。世上の事を談じた。この次語り云う、去る6月1日、主上(安徳天皇)が南殿の南階より溜下(たまりした)に落下した。以っての外の怪異である。蔵人(くろうど)平親資が抱き奉り、陣(衛士)辺に上げた。上官の一二人が之を見た。深く以て、秘蔵するようだ。
(注釈)
摂政(せっしょう)・・・君主に代わって政務を行う。
抽賞・・・多くの者から引き抜いて賞する。
蔵人(くろうど)・・・蔵人所の職員
蔵人所(くろうどどころ)・・・天皇に近侍し、雑事を担当する役所。

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