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2006年8月25日 (金)

8月3日「解官の事如何様に行われるべきか」

8月3日 天気陰。
伝聞、(蔵人藤原長正の説)、去る比、御所の板敷きの上に牛が昇り横たわる。数刻に及ぶ。長正之を見て追い下したようだ。又昼の御座の上に狐が糞をまり置いたようだ。
「解官の事如何様に行われるべきか」
今日、12時頃、頭弁(とうのべん)兼光、お使いとなり来て、云う。解官の事、法皇の勅(天子の命令)か、又は内々に仰せらるべきか、大外記両人に問うの処、
「両大外記申状」
頼業は申し云う、只宣(せん)奉勅(ほうちょく)に載すべし。法皇の字有るべからず。
師尚は申し云う、ただ内々外記に仰せられ、追って宣旨を成さるべしと。
申し云う、師尚の申し状が穏便だろう。猶、宣旨が有るならば、法皇の勅に載せるべきである。只、勅を奉るの条は感心出来ない。
この次に、京中や畿外の狼藉を止められるべき詳細を申し、条々の理を立て申さしめた。是和説なり。更に用いらるべき由存ぜず、ただ忠を存ずる為である。
(注釈)
解官(げかん)・・・官職を免ずること。免官。
大外記(だいげき)・・・太政官の役職。文書の作製などを担当。
宣(せん)・・・みことのり。
宣旨(せんじ)・・・天皇の命令を伝える公文書。
奉勅(ほうちょく)・・・天皇のことば(みことのり)を承ること。
畿内(きない)・・・大和・山城・河内・和泉・摂津の五畿。
畿外(きがい)・・・五畿以外。

8月4日
今日大原野社(大原野南春日町)に内々、御進物を献上した。又今日より7ケ日を限り仁王講(仁王経の会、護国安穏を祈る)を修した。今日神斎祓(みそぎを行う)を修した。

8月5日 天気晴れ、
弥勒講(みろくこう、弥勒菩薩に祈る)に依り御堂に参る。
「玄上出来す」
経家朝臣云う、玄上(びわの名器の名)が出で来た。検非違使の平知康の許の女がこれを持ち来るようだ。

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