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2006年4月 6日 (木)

5月19日20日

5月19日 雨降る
「律上房・尊上房が凶徒の張本たり」
 伝聞、昨日園城寺に遣わさるる所の僧の中、房覺僧正一人は去る夜帰京した(他の僧等は出京しない)。彼の宮が猶出でなさるべからざるの由、僧兵は申し切った。凶徒は七十人ばかりである、その中の律上房・尊上房、この両人が張本である。この由今日後白河法皇に申し上げた。比叡山延暦寺は味方すべきでないとの由、しきりに抑せられた。

5月20日 雨下 
「園城寺以仁王出し奉る事を承諾するも八條宮の使追い帰さる」
 人伝えに云く、留守する所の僧が、詳細を僧兵達に示した。僧兵は各々宮を出しなさるべきの由を承諾した。仍って昨日八條宮は御迎えの為人をつかわした(僧二人並びに家来等を同道させる)。彼の宮の在所に就いて、出しなさろうと欲するの処、宮は怒りて云く、
お前達は我を捕らえようとんと欲すが、更に手に懸けるべからずと。ここで甲冑(かっちゅう)を着けた僧兵が七八人出て来て、彼の僧以下を追い散らした。殆どあなどりさげすみに及んだ。仍って空しく以て帰京した。事は猶僧等の制止が叶うべきではない。又云う、在京の武士等は恐れること極まり無しと。

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