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2006年3月12日 (日)

2.2 平家物語作者等の証言

2.2 平家物語作者等の証言Img_4611

検察官 「証人、平家物語原作者に尋ねる。木曽義仲軍の乱暴狼藉は事実か。」

証人(平家物語原作者)「なるべく史実に忠実に書いたつもりです。木曽義仲軍の市民に対
    する乱暴狼藉の事実は無い。書いた覚えも無い。」

弁護人 「証人、平家物語原作者に尋ねる。平家軍は京都から退却する時、六波羅を焼
    き払いましたか。」

証人(平家物語原作者)「はい、その通りです。」

弁護人 「証人、平家物語原作者に尋ねる。慈円の「愚管抄」によると、六波羅を焼き
    払った時、京都中のものとりが集まり、乱れ入り、物とりけりとなっている。
    事実ですか。」

証人(平家物語原作者)「はい、その通りです。」

弁護人 「証人、平家物語原作者に尋ねる。法皇以下公卿の多くが比叡山に退避してい
    た時、慈円の「愚管抄」によると、京中はたがいについぶくをしたようですが
    、事実ですか。」

証人(平家物語原作者)「はい、その通りです。」

弁護人 「証人、平家物語原作者に尋ねる。この場合のたがいとは誰と誰のことか。」

証人(平家物語原作者)「京都市民どうし、あるいは平家軍と市民です。」

弁護人 「証人、平家物語原作者に尋ねる。平家軍と市民がたがいについぶくとはどういうことか。」

証人(平家物語原作者)「平家軍が市民からついぶくし、また逆に市民が落ち行く平家軍
    から略奪しました。」

検察官 「証人、平家物語編集者に尋ねる。木曽義仲軍の乱暴狼藉は事実か。」

証人(平家物語編集者)「木曽義仲軍の乱暴狼藉の事実は無いかもしれない。
   事実を書いた原作物語では、琵琶法師の語りの時、聴衆の庶民が不愉快な表情を
    するので、さらに、作者編集者の中には僧侶も加わっているので、木曽義仲軍が
    乱暴狼藉したように変更しました。特にものとりが集まったとか、互いについぶ
    くしたなどは、絶対に語れません。しかし、市内の乱暴狼藉の事実はありました
    。それが平家軍なのか、源氏軍なのか、野盗なのか、昼間でも服装外見だけでは
    見分けが付きません。    ちょうど、先に滅んだのが、義仲軍なので、死人に口
    無し    、義仲軍のせいにしました。」

検察官 「証人 琵琶法師に質問する。原作を改編しましたか。」

証人(琵琶法師)「勿論です。原作どおりでは、面白くないし、聴衆の庶民に不都合で不
    愉快な語りなど、特にものとりが集まったとか、互いについぶくしたなどは、絶対
    に語れません。また権力者の朝廷や鎌倉の批判、悪口なども語れません。悪事は全
    て義仲軍のせいにしました。」

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