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2006年2月 5日 (日)

8.2「第一は頼朝、第二は義仲、第三は行家」

8.2「第一は頼朝、第二は義仲、第三は行家」
玉葉の1183年 (壽永二年)7月30日
「頼朝・義仲・行家への勧賞(けんじょう)如何に行わるべきか」
1.仰せ言う、今度の義兵、造意頼朝に在りと雖も、当時の成功の事、義仲・行家なり。かつ賞を行はんとすれば、頼朝の欝(うつ)測り難し。彼の上洛を待たんとすれば、また両人賞の遅きを愁うか。両箇の間、叡慮(えいりょ、天子のお考え)決し難し。兼ねてまた三人の勧賞等差有るべきか。その間子細、計らひ申すべしといえり。
「頼朝参洛待たず三人同時に行わるべし」
人々申して言う、頼朝参洛の期を待たるべからず。彼の賞を加へ、三人同時に行はるべし。頼朝の賞、もし雅意(ふだんの心)に背かば、申請に随い改易する、何の難有らんや。その等級においては、かつは勲功の優劣により、かつは本官(正式の官職)の高下に随い、計らひ行なはるべきか。総じてこれを論ずれば、「第一は頼朝、第二は義仲、第三は行家」なり。
(現代文)
1.法皇が言われました。このたびの正義の挙兵について、企画したのは頼朝であるが、現実の成功は義仲・行家によるものである。賞を与えたいが、頼朝の本心が不明である。頼朝の京都へ上るのを待つと義仲・行家に賞が遅れるので都合が悪い。この件、法皇の考えのみでは決める事が難しい。さらに叉三人の賞に差を付けるべきか。その詳細について検討し申すべしと。
「頼朝参洛待たず三人同時に行わるべし」
会議に参加した人々は申しました。頼朝の京都へ上るのを待つことはない。頼朝の賞も同時に、三人同時に行なうがよい。頼朝の賞が、もし頼朝の心に不本意ならば、申請により改めるのに何の不都合も無い。その等級においては、まず勲功の優劣により、さらに正式の官職の高下により、検討し行なうべきでしょう。総じてこれを論ずれば、「第一は頼朝、
第二は義仲、第三は行家」である。
(解説)
鎌倉を1歩も出ない頼朝が「第一は頼朝、第二は義仲、第三は行家」となるのは、法皇も公家も密書にうまく騙されたものである。

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